薬剤師にはいくつかの専門資格があります。一般企業であれば資格の取得は年収アップに繋がることが多いですが、薬剤師の場合はどうでしょうか? 周りの薬剤師よりも努力して知識を付けたら、少しでも優遇されたいですよね。実際に年収アップに繋がるかどうかを見ていきたいと思います!
薬剤師の認定資格で最初に思い付くのは、研修認定薬剤師でしょう。製薬企業や地元の薬剤師会が主催する勉強会に参加して、認定シールを集めることで資格を得られます。研修認定薬剤師はeラーニングでも取得可能で、認定薬剤師の中ではハードルが低いものです。 その分年収アップにも繋がりにくく、全く手当てがない職場がほとんどです。手当てがあったとしても月に1000円~3000円程度です。 リフィル処方せんを実現させたときには、2回目以降の受診時の問診やバイタルチェックを行うことができるのを研修認定薬剤師に限るという話をありましたが、結局実現には至っていません。ただ、持っていて損な資格ではないため認定にかかる費用を補助してくれる職場を選ぶのも良いですね。研修認定薬剤師資格を維持するのにはある程度お金がかかります。
研修認定薬剤師の他には
などが現在薬剤師の認定資格として設けられています。 多くの資格がその専門内容に関わる病棟での勤務経験を必要としており、さらに専門知識を修得するための講習会への参加が必須のため簡単には取得できません。 取得後は専門資格所持により手当てなどがつくことは少ないのですが、ガンセンターや大学病院など難関と呼ばれる就職先への転職がしやすくなります。病院から病院への転職を考えるのであれば、十分に年収アップが見込めるでしょう。 漢方薬・生薬認定薬剤師など一部の認定資格以外は病院勤務が必須のため、調剤薬局やドラッグストアに勤めている状態では取得できません。
専門薬剤師はさらに取得が大変です。専門薬剤師は現在、
の6種類があります。 いづれもそれぞれの認定資格を所持していることを前提として、学会の会員となり発表、論文の提出が必要です。そう簡単には認められず、専門薬剤師として働いている薬剤師はそれほど多くはありません。 しかし、専門薬剤師に対して高額の手当てを支給している病院はあまりないのが実情です。 薬剤師の専門性がまだあまり認められていないことや、病院でしか能力を存分に発揮できないことが原因でしょう。年収アップを期待して取得するものではないと言えるかもしれません。
認定資格を年収アップに繋げるなら、6年制薬学制の実務指導を行うことができる認定資格がオススメです。認定実務実習指導薬剤師は実務経験が5年以上あれば、ワークショップと講習会に参加することで取得できる簡単なものです。 学生の実務実習受け入れは調剤薬局にとっては大切なイベントであり、多くの学生を受け入れることで将来の薬剤師確保を狙っています。そのため調剤薬局では指導薬剤師が求められています。 一部調剤薬局では指導薬剤師資格を持っていると最大で月に2万円の手当てが出ることがあるのです。年収にすると24万円アップなのでかなり大きな違いですよね。その上認定に必要な費用も負担してくれることが多いようです。 学生に指導を行う中で初心に返り、自分の服薬指導や調剤スキルを高めることにも繋がります。今から認定資格を取ろうと考えるのであれば、まずは指導薬剤師を取得すると良いでしょう。 専門性が高い認定資格は取得の大変さの割には、あまり年収アップが見込めません。 しかし医療チームの一員として頼りにされる存在となることができ、やりがいは上がるでしょう。 薬局勤務で年収アップを狙うのであれば、研修認定薬剤師のシールを集めつつ、指導薬剤師の資格を取るのが良さそうですね。研修認定薬剤師は今のところあまり役には立たないかもしれませんが、資格取得のために勉強会などに参加して得られた知識は、一つも無駄になることはありませんよ。