子供が成長して大きくなってくると、そろそろ仕事に割く時間を増やしてもいいかなと思うタイミングがあると思います。薬剤師のパート・アルバイトは比較的時給が高いとは言え、正社員と比べるとトータルでは効率が悪い点が多いので、可能であれば正社員として働きたいですよね。
しかし、パート・アルバイトから正社員になって変化するのは働く時間と給料だけではありません。今回はパート・アルバイトから正社員にステップアップ、転職する際にこれだけは押さえておきたいポイント3点をご紹介します。
薬剤師に限ったことではありませんが、パート・アルバイトも正社員も同じ社員であることに間違いはありません。しかし、働き方、任される仕事の内容という点では、同一ということはなく、それなりの違いがあることも事実です。
どんなにパート・アルバイトで働いている方が優秀だとしても、労働時間の長さという点、長期的に働くという点においては、自然と正社員の方が上になりますので、大きなプロジェクト、責任の重い仕事、大きな金額が動くような仕事は正社員に割り振られるのが一般的です。
雇用側の立場で考えるパート・アルバイトのポジションを少し大袈裟に言ってしまえば、何時辞めるかわからない存在、指示した仕事だけをこなしてもらう存在、多少の時給アップはあったとしても昇給を想定する必要がない存在という事になります。
反対に(実状はともかく)、正社員は簡単には辞めない存在、会社の利益を考えて成果を上げる存在、業績に応じてキャリアアップ、経営を担う可能性がある存在となりますので、与えられる仕事、責任の重さに差が生じてくるのは当然と言えるでしょう。
実際には職場の状況に依りますが、正社員になって責任が重くなることで、求人票に書かれている内容以上に時間を割く必要が出てきたり、休みづらい状況が生まれる可能性があるということは覚えておきましょう。
正社員として働いているだけでパート・アルバイトよりも重い責任を担うことになりますが、薬局長や管理薬剤師となると更に大きな責任や仕事を受け持つことになります。
他の正社員で解決できなかったクレームの対応をさせられることもありますし、事務作業も多くなりますので、自然と残業も増えますし、自宅に帰ってからも仕事の事を考えてしまうかもしれません。
薬局長に指名されるのは年長者、経験の長い者と思われがちですが、正社員として働いていれば誰が指名されてもおかしくありません。正社員として働くからには、薬局長を任せられる可能性を考えておく必要があるでしょう。
どうしても家庭の事情で薬局長や管理薬剤師はできないと言う方は、事前に伝えておいた方が良いかもしれませんね。転職をきっかけに正社員になるというケースでは、アプローチするタイミングで転職エージェントにその旨伝えて交渉して貰うようにしましょう。
パート・アルバイトとして働いているときは、子供の体調不良で急に休んだり、参観日なのでシフトを変えてほしいなど、多少の融通を利かせることができたと思います。しかし、正社員ともなれば、そういった家庭を優先させて働きたい人達を支える立場、会社の利益を考える立場となりますので、今まで通りとはいかなくなるかもしれません。
基本的には決められたシフト通りに働き、出来る限り急な欠勤や遅刻はしないように配慮する必要があります。正社員まで自由に時間の融通をきかせていては、仕事が回らなくなってしまう為です。
融通を利かせづらいというのは少し大変かもしれませんが、あなたがパート・アルバイトとして働いていた時に他の正社員の方がサポートしてくれたことを思い出し、今度はあなたがフルタイムで働けない方を助けてあげられるようになるといいですね。
パート・アルバイトから正社員に転職することで、私生活や家族に割ける時間が少なくなり、多少行動が制限されることもあるかもしれません。責任も重くなり「会社の顔」であることを意識しなくてはいけないこともあります。
しかし、パート・アルバイトと比較すれば、給料は高くなり、福利厚生も充実したりとトータルの条件面では圧倒的に正社員の方が有利です。勿論、パート・アルバイトでは貰えなかった年二回のボーナスも期待できるでしょう。長期間しっかりと働けば退職金も貰えます。
同じ会社でパート・アルバイトから社員にステップアップするのも悪くありませんが、余程良心的な会社でない限り、待遇面の大幅アップは期待できないのが現状です。
是非、パート・アルバイトから正社員へのステップアップを検討したそのタイミングで転職エージェントに進路の相談をしてみてください。相談したからと言って他社に転職しなければいけない訳ではありません。まずは客観的なあなたのポジションを把握した上で、正社員になった際にどの程度の待遇が期待できるのかを分析してもらいましょう。その上で、他社に転職した方が有利なのか、現在の職場で正社員にステップアップした方が有利なのか、十分に比較してみてください。得た情報をもとに、現在の会社と交渉してみるのもアリでしょう。
あなた自身が動かなければ、会社は会社の都合を優先した条件を提示し、あなたはそれに従うだけになってしまいます。売り手市場の薬剤師だからこそ無料で得られる情報やサービスが沢山あります。上手く利用してあなたに見合った職場、働き方を見つけてください。