薬剤師転職サービスを利用するにあたって、「理想がたくさんあり、いろいろと伝えたいけれど、実際に何から伝えればいいのか迷ってしまう」なんてことはてありませんか?もしそのようなあやふやな状態のまま転職活動を開始すると、理想の職場への道のりは思った以上に険しくなってしまいますよ。
結論から申し上げますが、最も重要なことは、『自分はどういう薬剤師で、何ができるのかということを明確に伝える』ことです。
そのためにはどのように考え、実行していけば良いのでしょうか。順を追って説明していきたいと思います。
薬剤師が転職を意識しだした時に思い浮かべることとは、今の職場に対する不満やご自身の考える理想の職場像などですよね。もちろんそれは当然のことです。より良い職場で働きたいと考えるのはみんな同じだと思います。
一方で、薬剤師転職サービスのエージェントの立場について考えることってそんなにありませんよね。ここではちょっと視点を変えて、まずはエージェントについて考えてみましょう。
薬剤師転職サービスのエージェントは、『転職を希望する薬剤師を各企業にアピールする立場にある』みなさんの代理人です。ただ単に案件を機械的に紹介するだけのロボットではありません。まずはそのことをしっかりと意識しておいてください。
さてそれでは、ここからはみなさんがエージェントの立場になったつもりでご覧ください。
薬剤師転職サイトから転職を希望する2人の薬剤師の登録があったとします。転職希望者はどちらも男性薬剤師であり、Aさん(35歳)とBさん(38歳)です。電話にて詳細な希望条件をお聞きした結果、
というものが二人の薬剤師の希望条件だったとします。まあ実現可能かどうかは別にして、条件だけ見るとかなり理想が高いですよね。
そのなかでAさんが、
「これはあくまで理想の条件ですが、多少この条件から外れても問題ありません。車も運転できますので在宅業務なども大丈夫です。マネージメント業や新規立ち上げなども経験がありますので、そのような仕事も機会があればさせていただきます。私自身の経験などを踏まえ、あえて年収を高めに設定してお願いしました」と言われたとします。
なるほど、いろんな方面で活躍してくれそうな方だな、という印象を受けますよね。年収800万円を希望してくるだけの人材なのかもしれません。Aさんなら企業に対して比較的紹介しやすいと感じられませんか?
一方でBさんは、
「車が運転できないので絶対に駅近がいいです。在宅もできれば少な目で…。年収も今までその額をもらっていたので絶対に落としたくないんです。仕事とプライベートはハッキリさせたいので土日休める職場を希望します。極力異動はしたくないし、管理薬剤師よりも上に上がることは考えていないです。」という感じでした。
さて、どうでしょうか。だいぶAさんとはイメージが違いますし、Bさんのアピールポイントってなんだろう…?って少し困ってしまいませんか?企業にどうやってアピールしよう…と悩んじゃいますよね。Bさんは『どういう人間であり、何ができるのか』。これだけではまったく見えてきませんよね。
このように、希望条件を伝えることはもちろん重要なのですが、その希望条件に見合った人物なのかどうかということがそれ以上に重要であり、転職を仲介するエージェントの立場的では希望条件に対する根拠が必要なのです。すなわち『人間性や実績、その人物がもつ可能性』などです。
もちろん無理に自分自身の価値を高めるためにウソのアピールをしてはいけませんが(ウソをついてもどうせ入社後、必ずバレます)、単に希望条件を闇雲に押し付けるだけではなく、その希望条件を提示するだけの根拠も合わせてお伝えすることができれば、より理想通りの職場に近付くことができるでしょう。
そのためにも客観的に薬剤師としてのご自身のキャリアを見つめ直し、これからの働き方を思い描きながら『自分はどういう人間であり、何ができるのかということを明確に伝えておく』ということがいかに大切なことなのかおわかりいただけるのではないでしょうか。
もちろん、今できないようなことでも、可能な限りトライしていきたいという気持ちは大切であり、そのことももちろんアピールポイントにはなります。エージェントとしてもやる気があり、バイタリティ溢れる人材であればそれだけでも紹介しやすくなりますからね。何でもできるスペシャリストなんてそういませんから。
いずれにしても、とっておきの案件にはそれに見合ったとっておきの人材を紹介したいと考えるのが基本です。そうすることで、転職を仲介した担当エージェントの評価も上がりますからね。
もし希望条件などが明確に整理できていないのであれば、紙に書き出してみてください。多少面倒に感じるかもしれませんが、このひと手間をかけるのかかけないのかで結果は大きく異なってきます。そしてご自身の得意なことや不得意なことも書いてみましょう。もちろん不得意なことはアピールする必要はありませんよ。あくまでご自身で把握いただくためだけにしていただきたいのです。
内容はどんなものでも大丈夫です。今の職場の不満や理想の勤務時間、希望年収などなど。どんなものでも良いので箇条書きにしてみてください。するとぼんやりと考えていた理想の職場がよりハッキリと浮かび上がってくるはずです。またそうすることで、ご自身の得意とすることやアピールポイントなども見つかってくるでしょう。
こうして希望条件を明確にしつつ、ご自身のアピールポイントをしっかりと把握することが大切なのです。
そしてそれを整理し、伝えること。
すなわち『自分はどういう薬剤師で、何ができるのかということを明確に伝える』ということ。
薬剤師転職サービスのエージェントに必ず伝えるべきこととは、このたった1つのことに尽きるのです。
あなたがどのような人間であるのか理解してくれさえすれば、あとは転職のプロであるエージェントがより良い企業に対してとことんアピールしてくれるでしょう。
薬剤師転職サービスを利用するにあたって必要なことについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
ぜひ参考にしていただき、後悔の無い転職活動をしていただくことができましたら幸いです。