転職を検討中の薬剤師の皆さん、転職活動を円滑に進めるためにも今お勤めの職場を円満に退社したいですよね。
「転職後はもう会うことはないから」といって、「不満をぶちまけて辞めてやる!」…って気持ちは少なからずあるかもしれませんが、それを実行に移してしまうのはちょっと危険ですよ。
もし仮にみなさんに正義があったとしても、事実を捻じ曲げられて変な噂になってしまう危険性もあります。薬剤師の業界はけっこう狭いですからね。
そこで今回は薬剤師が円満退社を実現するための方法についてお話ししていきたいと思います。
薬剤師の皆さんが退社を検討されている理由はいったい何でしょうか?
「直属の上司が嫌いですぐにでも辞めたい」
「激務すぎて体を壊してしまいそう」
「給料が安いからもっと良いところへ行きたい」
などなど、様々な理由で転職を検討されていることでしょう。
まあ、理由はどうあれ、退社の意思を伝えるのってまずは勇気がいりますよね。タイミングや切り出し方なんてのも難しいものです。転職先のことで頭が一杯であれば尚更です。
また、退社を検討している時は誰かに相談したくなってしまうもの。ついつい職場の同僚に相談したり、直属の上司を飛び越えてさらに上の方に相談してみたり…。しかし人の退社相談話というものは、かなりの確率で噂が回ってしまいます。そして噂が回りまわって直属の上司の耳に入ってしまうかもしれません。そうなってしまうと直属の上司の立場もありません。
どんなに嫌いな上司であっても、社会にはルールや順番というものがあります。
そのルールを守らないと、みなさんにどんなに正義があったとしても、「非常識なヤツだ」とレッテルを貼られてしまいかねません。
また、すぐにでも辞めたいからといって「○月×日で退社します」と言い切るのでなく、「退社したいと思っているんですが…」と切り出すようにすることも大切です。あくまで退社の意思があり、『時期を相談する』というスタンスで話をすることが、まずは円満退社に向けた大切な第一歩であるという認識を持っていただければと思います。
既に転職先が決まりそうな場合は両者のバランスを上手くとることが必要になってきますね。
薬剤師不足と言われている現状では、薬剤師であるあなたが転職先を探すのはそれ程むずかしいことでは無いかもしれませんが、会社が即戦力として使える薬剤師を新たに確保することは容易ではありません。時間もコストも掛かる上にあなた以上の人材が確保できるとは限らないのです。
そんななかでも退社の意思を固め、うまく立ち回っていくためには注意・把握しておいていただきたいことがあります。
まず間違いなく退社の理由は聞かれるでしょう。そんな時、正直にすべてを洗いざらい話す必要はありませんよ。まして不満をぶちまけることは絶対にしてはいけません。
会社に何らかの不満があって退社を選択するというのは会社側も百も承知なのです。ただ、理由を聞き出し「改善することによって引き止めることができるかもしれない」という気持ちで探りを入れてくるという側面もあります。
ここで大切なことは、あくまで会社の批判になってしまうような理由は伏せておき、引き止めにくいような理由を話すことです。極端に言えば嘘でも構いません。
例えば調剤薬局で働かれているのであれば、「薬剤師として病院で働きたいという気持ちが抑えきれなくなった」と言うなど、今働いている会社では実現が難しいことを理由として伝えることで、引き止めにくい状況を作ることなどが大切になってきます。
また、転職先を聞き出そうとしてこられるかもしれませんが、転職先まで話しておく義務はありません。「まあそこは…」などといった対応で話す意思がないことを示すようにしましょう。
「給料アップするから」
「今の職場が嫌なら異動させてあげるから」
などなどあの手この手を使って強い引き止めに合うかもしれません。もし、仮にみなさんが納得のいく対応をしてもらうことができるのであれば、そのまま今の職場に留まるのもひとつの手かもしれません。
ただ、あくまで一時しのぎの対応の可能性もあるため、よほど納得のいく対応でない限り強い引き止めには応じない方が得策です。既に納得のいく転職先が確保出来ているのであれば尚更です。
一度辞める意思を示した方に対して会社はいつまでも優遇措置はしません。
そのあたりも十分意識したうえで対話するようにしてください。
みなさんが退社をされることで、会社は次の薬剤師を探さなければなりません。そのための時間はもちろん必要になってきますので、ある程度は状況に応じて相談に乗っていただいた方がいいでしょう。ただし、だからといって見つからなければ1年も2年もそのまま踏みとどまっておくというわけにはいきませんよね。
転職先の職場の都合もありますので「少なくとも2ヶ月以内には退社したい」などの意思はきちんと伝えるようにしつつ、会社の要望にも柔軟に応えられるようにしておくことが大切です。
もし仮にすでに転職活動をしており、内定をもらっている状況であっても、双方の会社に状況をきちんとお伝えしたうえで、ベストな退社時期というものを決めるようにしてください。
退社日がきちんと決まっていない段階で「○月×日から初出勤できます」などと転職先に言ってしまうことのないように十分気を付けましょう。退社日が正式に決まるまではあくまで現在働いている会社の社員なのですから。
最後に注意していただきたいこととして…
いざ退社日が決まったらついつい仕事に身が入らなくなってしまいますよね。どうせいなくなる会社なんですから。
しかし、完全に退社するまではその会社の薬剤師であることに変わりはありません。その職場にこれからも残って仕事をされる方たちもいらっしゃるわけです。
「退社が決まってからやる気がなくなったよな」と言われることなく、「この人が退社するなんて、もったいないなぁ!」と思わせるぐらいの働きぶりを見せることで最後の印象がまたグッと良くなります。そして『惜しまれながら辞めていく』という環境を作り出すこともできます。
円満退社を実現するためには実は最も大切なことであり、これは徹底していただく必要があるでしょう。
『飛ぶ鳥跡を濁さず』
これを徹底的に意識したうえで退社の日を迎えるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
退社するのも簡単ではありませんが、順序を守り、誠心誠意業務を全うすることで円満退社を実現することができるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
転職をお考えの方はぜひ参考にしていただき、円満退社を実現していただくことができましたら幸いです。