薬剤師のみなさんは転職したいとは思っていても、「家族に反対されないかな・・・」なんて考えたりされていませんか?もしくは「反対された経験がある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
やはり一人で決断してサクサク行えるほど転職とは簡単なものではありませんよね。特に結婚されている方であれば家族も巻き込む一大イベントとなる場合が多いものです。薬剤師の転職はある意味、簡単にできてしまうからそれもまた悩ましいところ・・・。
今回はそんな『転職しようと思った薬剤師が家族に反対されてしまった場合の対処法』についてお話ししていきたいと思います。
なんとなく今の職場の雰囲気が合わないということや嫌いな人がいるから、もしくは給料が安いから・・・と漠然とした理由で転職の相談を切り出されてはいないでしょうか。
逆にみなさんがご家族の方から転職の相談を急に聞かされることになったとすると、「え?なんで?理由は?」と思われませんか?
さらにその理由が、「なんとなく・・・」や「合わないから」など、漠然とした理由であれば。「いや、それだけで転職?他に理由は?もっと深く聞きたい!!」って思われますよね。
なぜならそれは“聞き手側”にとっては安易な理由や勢いというふうに捉えられがちであり、転職先でもまた同じ失敗をするのではないか…と感じてしまうからですよね。
このように、みなさんがご家族の方に打ち明けられたとしたら、「え?なんで?」という反応とともに心配をされ、場合によっては反対されるのです。
その反対の表現の仕方にはいろいろあるとは思いますが、場合によっては「断固反対!」となるわけです。時には感情的になるようなご家族の方もいらっしゃるでしょう。そうなってしまってはちょっと面倒ですよね。
やはり転職をしようと思われるのであれば、その転職理由を整理しておき、いざ反対をされたとしても、きちんとその転職理由を説明できるようにしておく必要があります。
間違っても「私がそう思ったんだから何と言われようと転職する!」なんて言ってしまってはいけませんよ。仮にそのまま勢いで転職したとして、その転職自体がうまくいったとしてもお互いに後味が悪いばかりでなく、くだらない遺恨を残してしまう恐れだってあるのです。
転職先には困らない薬剤師であったとしても、転職は自分だけのものではありません。まわりのご家族も巻き込むことなのです。
もしも、人間関係がうまくいかないという理由や、大きな失敗をしてしまったから・・・といった理由があるのであれば、素直に話しておくことも必要な場合もあります。
まぁ、なんでもかんでも洗いざらい話す必要はないかもしれませんが、後ろめたい気持ちを見透かされた上で反対されているかもしれませんので、そのような弱い部分も見せながら納得のいくような話ができた方が、よりスッキリとした気持ちで転職活動が行えるようになるでしょう。
また、転職することによって前向きに働くことができるのであれば、決してマイナスな転職にはならないでしょうし、みなさんが後ろめたいものだと考えていること自体、実はご家族からすれば最も正当な理由と捉えてくれることもあるでしょう。少なくともご家族はみなさんの良き理解者であり、味方なのです。
例えそれが人間関係であったとしても、環境を変えることでポジティブに働くことができれば、ご家族にとってもプラスでしょう。いつも難しい顔をしているみなさんを家族の方は見たくはないでしょうからね。
このように表面上だけではなく、後ろめたいと感じるようなことまでご家族の方に理解を得ることができるというのは、今後のみなさんの長い人生においても大切こととなり得るでしょう。家族の絆がより深まるチャンスかもしれません。
もし、仮にご家族の方に反対されたとして、それは頭ごなしに反対されているのでしょうか?
転職の理由をお話しするのは当然のことですが、それでも反対されるのであれば、まずはじっくりとその反対される理由を聞くことが大切です。結婚前の方であればご両親、既婚の方であれば配偶者の方やご両親からも反対されるかもしれませんね。
まあ既婚であればご両親はもうそこまで関係ないかもしれませんが・・・。
その反対理由によっては納得できるものがあるかもしれませんし、ただ転職時期が悪いだけの可能性もあります。
例えば、お子さんがいらっしゃるのであれば、そのお子さんの年齢も大切です。さすがに産まれたての状況で転職をされては奥様は不安で仕方ないでしょうし、「もう少し待って!」と思われるものでしょう。それこそ感情的になられる可能性だってあります。
ちなみに筆者(勿論薬剤師です)自身、子供が0歳の時に転職しましたが、最初、妻からは猛反対されました。
「何もこんな時期に転職しなくたっていいじゃない!これ以上精神不安定になったら私が壊れてしまう!」とまで言われてしまいました。
しかし、私自身のその時の状況は心身ともに極限状態であり、転職をしないとそれこそおかしくなってしまうというぐらい激務に追われ続けていました。もちろんそんな状況で、子供にミルクを飲ませてあげたりオムツを変えてあげたりすることだってできませんでした。
そのようなこともあり、妻とはお互い納得のいくまで何度も話し合いをしました。話し合いが深夜にまで及ぶこともありました。
自分自身も転職するべきがどうか最後の最後まで悩んだのですが、最終的に妻も納得してくれ、転職を決断しました。
そして結果的に大幅にワークライフバランスが改善し、家事や育児にも積極的に参加できるようになりました。妻には「あの時転職してくれて本当に良かった。」と今でも言われます。
ちょっと話が脱線してしまいましたが、例えば社会人1年目の方で転職の話を切り出された場合、ひょっとするとご両親から猛反対されるかもしれませんね。
今の時代、社会人1年目で転職を考えられる方は意外と多いものなのではないかと思うのですが、すんなりOKしてくれるような親御さんは正直あまりいらっしゃらないでしょう。
「え?もう?なんで??」と思われたり、「根性なし」と言われるかもしれません。特に今20~30代の方のご両親は根性論という考え方が主流の時代を生き抜いてこられた方が大半です。就職といえば大手であり、大手に入社することができればそのまま定年まで働くという考え方がスタンダードでした。ちょっとやそっとの嫌なことは耐えてこそ一人前だなんてよく言われたものです。今は時代が違いますけどね。
ただ、時代が違うと言えど人生の先輩であるご両親の意見というものは素直に聞いておく方が良い場合もあります。
ご両親としても頭ごなしに反対というよりは、心配だから反対するという側面の方が強いでしょうし、双方納得の上で転職したいものですからね。職場環境がブラックであり、転職した方が得策だと考えられるようであればご両親も頭ごなしには反対されないでしょう。
このように、仮に反対されたとしてもその反対意見もしっかりと聞くという姿勢が非常に大切であり、そのなかで「それでも転職したい」という思いが変わらないのであれば、相手が納得されるような理由をキチンと説明することも大切になってくるのではないでしょうか。
転職は薬剤師のみなさんの人生のなかでも大切なものであると同時にご家族にとっても大切なものなのです。お互いに理解、納得し合えるように準備をすることもご家族に対する愛情のひとつです。
ぜひとも参考にしていただくことができましたら幸いです。