転職を検討中のみなさんは、大手と中小のどちらに転職しようか悩まれるということはありませんか?
まあいずれにしても、ブラック企業には絶対に転職したくありませんよね。
ここでは大手と中小の調剤薬局の違いや、転職の際、ブラック企業を避けるために気をつけておきたいポイントなどについてお話ししていきたいと思います。
全国展開をしている大手の薬局と地域密着型の中小薬局。どちらがブラックの可能性が高いのかと言うと、それは働いている立場や環境によって様々なため、ひとことで言い表すのは難しいものです。
ただ一つ、残業も厭わずにがむしゃらに企業の為に尽くす社員をそのまま放置しているような企業があれば、それこそがブラックだと言うことはできるでしょう。少し前にも話題になりましたが、残業時間が月に100時間を軽く超えていたにも関わらず、会社が改善措置を怠った結果、自らの命を絶たれてしまったというようなとても悲しいニュースがありましたよね。まあ残業だけが問題ではないとは思いますが。
薬局業界においては、過去に労働基準監督署から指導を受けた経験があるような大手などではかなりシビアに残業を規定しているような会社が多いものなのですが、中小企業においてはなかなか行政も目が行き届いていないというのが現状です。さらにこの業界は人手不足である企業が多く、必然的に残業時間が増えてしまっているといったケースも少なくありません。
一概に大手と中小、どちらがブラックかは言いにくいところですが、ポイントとしては大手であれば『エリアマネージャークラス以上の方の働き方』、中小薬局であれば『管理薬剤師以上の働き方』が一つの目安にはなるでしょう。いわゆる残業手当の有無がハッキリと別れるポイントであり、働き方の実態を把握するためにはかなり目安になりやすいポジションなのです。
いずれの場合もきちんとそれぞれの働き方を会社が把握し、異常な勤務状態であればそれを改善する、といった意識があれば良いのですが、把握もしていなければどれだけ残業していようがその方の働き方に任せ(甘え)、放置しているといった会社も存在します。この部分を見極めることによって、ブラック企業か否かを見極める指標にはできるでしょう。つまりそのような働き方を美徳としているような会社であればブラック企業の可能性があるのです。
みなさんが転職をされる際、これらのブラック企業に転職してしまわないように気をつけていただきたいポイントが3つありますのでお話ししていきたいと思います。
それでは一つずつお話ししていきたいと思います。
例えば『年収700万円!』と書いてあった場合、その中身をきちんと確認しておく必要があります。
年収700万円と言えども様々な形があり、残業代を含めて700万円の場合もあれば、年収700万円は固定であり、どれだけ残業してもそれ以上残業代が付かない場合もあります。また、一般薬剤師として入社した際は残業代が付くのに、管理薬剤師以上になれば残業代が付かなくなるという企業も少なくありません。
もちろん残業時間が非常に少ない会社であれば残業代が付かない=ブラックだと言うことはできないと思いますが、管理薬剤師になれば残業代が付かないということを良いことに朝から晩まで職場に張り付き状態にさせられてしまうような職場も存在します。気付いてみれば月の残業時間が100時間近くになっていたのに残業代が0円だ…、なんてこともあるかもしれません。
また、『残業をすれば年収○○万円を達成できます』という謳い文句も危険です。
過去に、私自身が『年収700万円以上実現可能』という職場を紹介されたことがあるのですが、残業が非常に多い職場であり、ひと月の平均残業時間が80時間だというふうに言われました。紹介会社の担当の方はサラリと言われたのですが、80時間って…。普通じゃないですよね。
仮にそのような働き方がOKな方であればその職場に転職してみるのもアリかもしれませんが、その職場から異動になったり、方針転換で残業時間を減らすような方向に会社がシフトする可能性だってあります。そのようなことがあればたちまち年収は落ち込んでしまいますよね。そもそもの給与ベースが低いのですから。
このように年収の提示の仕方というものには様々なものがあり、注意をしておいていただく必要があるのです。
企業の面接において、残業時間は月平均10時間ほどだと言われたとします。しかしそれはあくまで平均なわけで、立場によって大幅に残業している人がいるかもしれないということを見逃してはいけません。
繰り返しになりますが、ある特定の人だけが大幅に残業をしており、疲弊してしまっているにも関わらず、その人の働き方に会社が甘え、放置しているような状態だとするとそれはブラック企業の仲間入りをしている可能性があります。
そしてみなさんが残業も厭わずに働くというタイプであれば、鬼のような残業をさせられてしまう可能性だってあるのです。
「我が社はとても優秀な方が多く、毎日遅くまで残って頑張ってくれているんです」などと面接時に発言するような会社は要注意です。
『残業=頑張っている』という風潮は非常に危険であり、『残業をしない=やる気が無い』と見なされてしまい、毎日遅くまで残らざるを得ない職場環境が出来上がってしまっている危険性があるのです。
まだまだそういった考えをもつ企業は多く、業務改善がなされないままにただ残業時間が膨らんでしまっているような場合もあります。残業することが美学だと考えている方も実際には多いですからね。
「会社の考え方自体を変えてやる!」と意気込んで入社されるのもひとつかもしれませんが、なかなか会社の空気を変えるのは難しいもの。入社してからしんどい思いをしてしまうことのないように、慎重に見極めるようにしていただければと思います。
いかがでしたか?
大手と中小薬局の違いや、ブラック企業を見極めるポイント、転職の際気をつけていただきたい注意点などについてお話してきましたが参考にしていただくことはできましたでしょうか。
ご自身でチェックするという姿勢が何より大切ではありますが、企業の実態に関する情報のリサーチは転職エージェントの得意分野です。転職後すぐに退職してしまうと転職エージェントには報酬が支払われない仕組みになっていますので、情報を隠したり無理に転職させてもエージェントにはメリットがありません。相談すれば持っている情報は提供して貰えますので積極的に活用してください。
より良い職場に巡り合っていただき、理想の転職を実現されますことを心よりお祈りしております!