調剤薬局への転職をお考えの薬剤師の方は、何を基準に転職先を考えられますか?
駅近、車通勤可能、高収入、週休二日、残業なし、年間休日の多さなどなど…。薬剤師の方が転職活動をしていくなかで実に様々な『条件』は目にされることでしょうし、もちろん働きやすい条件というものは職場選びの際には重要なポイントですよね。
しかし、それ以外にも考えておかなければならないことがあります。
今回は薬剤師の方が調剤薬局へ転職する際、選ぶべき薬局と選んではいけない薬局を見極めるポイントについてお話ししていきたいと思います。
薬剤師の入れ替わりが激しいような薬局は転職する際の選択肢に入れない方が無難です。
ただ、注意していただきたいこととして、それを見越して企業側が離職率の低さをアピールしているような案件をよく目にすることがあります。
しかしながら、その離職率の実態がどのようなものであるのかということをきちんと確認しておく必要があるのです。詳しく説明しますと、離職率というものは『過去20年間のデータを利用すること』といったように明確な基準を持って書かれているものではありません。
企業の都合の良いように情報を操作したうえで書かれている場合もあるのです。例えば『離職率2%の職場です!』と書かれていたとしますが実際には直近半年間の離職率を表している可能性もあり、過去5年で見てみた場合、半数以上の薬剤師が辞めていた…といったケースもあるのです。つまり離職率はざっと50%以上。
これはさすがにその職場に問題がありそうですよね。もちろん企業側はこの都合の悪い情報は隠した上で薬剤師を募集します。このようにしっかりとその職場の実際の離職率を正確に把握することがまずは最も大切なのです。
外見上はなかなか見分けが付かないものなのですが、お互いに高め合うような薬剤師が数多く所属しているような会社を転職先として選ぶことは非常に重要です。
国や世間の方々が薬局に何を求めているのかということ、その求めに応じて真剣に考え、取り組んでいるような会社、そこに向かって努力している薬剤師が多く所属している会社こそが潰れない薬局と言うことができるでしょう。
言い方は悪いかもしれませんが、質の低い薬剤師が多く所属しているような会社においては、少しでも気に入らないことがあればすぐに人が辞めてしまい、また新たな薬剤師を雇うのに躍起になって好待遇を掲げ、またその好待遇という条件ありきで転職してくるような質の低い薬剤師で何とかその場をつなぐ…というような負の連鎖が引き起こされてしまいます。
そのような薬局に関しては質の低い業務しかこなすことができませんので、次第に時代の流れとともに淘汰されていくことでしょう。
これからは好待遇だけでぬくぬくと働くことができるような業界ではありません。
面接の場において、「とにかく入社してほしい」といった対応をしてくるような調剤薬局は慎重に見極める必要があります。
なぜなら、その会社自体の薬剤師のレベルが低い可能性があるからです。先ほどもお話しした通り、『条件ありき、来るもの拒まず』といった考えの薬局ではいくら経営者が立派な理想を掲げていたとしてもついてくるスタッフがいないために薬局としてのレベルが上がっていかず、将来的には淘汰されてしまう薬局の筆頭になってしまう可能性が高いからです。
仮にみなさんが志高く入社されたとしても、現場スタッフのレベル差や温度差が大きく、責任感の強いものだけが仕事を抱え込んだ状態で疲弊してしまっているような状況も少なくないでしょう。
例え大手の企業であったとしても立地が便利であるとか、家から近いからという理由だけで転職先の薬局を選んでしまうのは大変危険です。
仮に初めの条件で好待遇を提示されたとしても、売り上げの少ない薬局に所属してしまっては将来的に給料が上がっていかない可能性があるばかりか、その薬局自体が潰れてしまう可能性があるのです。
例えば総合病院の門前薬局などが良い例なのですが、あたかもたくさんの患者さんが来局されていそうなイメージを持ってしまいがちですが、フタを開けてみれば赤字ギリギリで運営しているといったケースも少なくありません。
総合病院の門前薬局では多くは家賃が非常に高いもの。さらに行政はそのような門前薬局は潰していく方向で考えています。
あえてそのような潰れてしまう可能性のある薬局に転職するのは非常に危険であり、また近いうちに転職を検討しなければならなくなる可能性もあります。
このように立地や将来性なども十分に考慮した上で転職先を選んでいく必要があるということが言えるのです。
いかがでしたでしょうか?
今回は選ぶべき薬局と選んではいけない薬局についてお話してきましたが、共通して言えることは判断するには事前に転職先の詳細情報が必要になるということです。
個人で調査できることには限界がありますし、これから転職するかもしれない企業に対して直接根掘り葉掘り質問するのも難しいかと思います。
実際に転職するかどうかは関係ありません。匿名で情報収集できるツールとして転職エージェントを上手く活用していきましょう。