コロナ禍で大変な時期ではありますが、転職を検討中の薬剤師のみなさんは、職場見学で『実際にどんなことを確認したり質問したりすればいいのかわからない』ということはありませんか?
もちろん人それぞれ考え方や状況も違いますので、一概にコレということはできませんが、目安となるものがあれば参考にしたいですよね。
そこで今回は、転職前の職場見学で薬剤師の方が確認・質問するべき3つのポイントについてお話ししていきたいと思います。
まずはタイトルそのものを覆すような見出しですが…、薬剤師の転職に限らず、職場見学という名目だけだと、企業は本音で話はしてくれません。
実際にみなさんもご自身が働かれている職場に、薬剤師の見学者が訪れたことを想像してみてください。忙しい日常のなか、面接者ではなく、見学者が来るのです。
ちょっと面倒だと感じませんか?履歴書も持って来ないので、どんな方なのかもあまりわからないままに話をしなければなりません。ちょっとおざなりになりますよね。
というわけで、まず1つ目の大切なポイントとして、入社する意思があると形だけでも示すように、面接を兼ねて職場見学に行くというのがまずは最も大切な要素になってくると言えます。そうすることでその職場のことをより詳しく聞くことができるようになります。
それでは実際に確認・質問すべき内容についてですが…
その職場で働かれている薬剤師の方の実際の働き方を細部までしっかりと聞くことです。平均残業時間や有休消化率、離職率など“平均”でごまかせてしまうような聞き方ではその職場の実態は見えてきません。
例えば残業時間が気になるという方は、『一番多く残業している薬剤師の方の最大の残業時間』を聞くことです。
このような聞き方をすることで、その会社が残業に対してどのような考えを持っているのかある程度把握することができます。
例えば「月に60時間ほど残業してくれてるんだけど、これはダメだと思っています。改善しているところです。」などといった答えが返ってくると、社員のことを大切に考えている企業ではないか、と推測することができます。
逆に残業している薬剤師社員がいることを誇らしく話されるようだと…。先が思いやられますよね。
また、有休消化率や離職率も具体的に聞いておくと参考にしやすくなります。
有休消化率だけを聞いてしまうと、退職された方の退職前の有給消化をあたかも普段から使えているかのように見せかけることもできますし、離職率なんてものも適当にごまかされることが多いものです。
「直近の1~2年で実際に辞められた薬剤師の人数」などを具体的に聞くことで、実際の離職率を把握することができます。
「離職率ゼロ」と謳っているような企業は基本的にあり得ないと考えてもらって間違いないですので、そのあたりは疑ってかかりましょう。
実際に信じて入社した結果、職場見学時に聞いていた話と全然違う!ということはよくある話。『具体的に聞く』ということを忘れないようにしてください。
ついついしてしまいがちなのが、現状の職場状況を確認しただけで自分に合うか合わないかを決めてしまうということです。
大切なのは、みなさんがもし仮にその職場に入社された際に、その後の業務展開がどのようになっていくものなのかということをしっかりと確認しておくことです。
薬剤師の業界は今後、どのように展開していくか予想しづらい状況です。みなさんが入社されるのをきっかけに大きく業務展開をしようと考えている職場かもしれません。
つまり、現状の職場の状況のみで合うかどうか決めるのではなく、その先にある業務展開に思いを巡らせつつ、実際に入社した際にはご自身が薬剤師としてどのようにその職場にフィットしていくことができるのかということをしっかりとシミュレーションすることが大切なのです。
転職・入社してみて「そんな話聞いてなかったよ」ということのないように気を付けておくこと。このことが「しっかり将来を見据えて見学に来てくれている」と思わせるポイントにもなり、みなさんの評価にも繋がることでしょう。
転職前の職場見学で薬剤師が確認・質問するべきポイントについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
コロナ禍で薬剤師の転職市場も流動的ではありますが、そんな時期だからこそ、その薬局、施設の薬剤師に対する考え方、本質を見極めやすいと考えることも出来ます。
しっかりと転職先を比較検討できるように、ぜひ参考にしていただくことができましたら幸いです。