公開求人とは、文字通り一般に公開されている求人で、どなたでもアクセス出来る求人のことを指します。
薬剤師の求人の場合は、薬局名やドラッグストア名、医療機関名は勿論、待遇などの条件面、募集内容なども掲載されているものが殆どで、雇用主となる企業や医療機関のサイト、薬剤師転職サイトで情報が公開されています。
企業や医療機関で直接募集している場合は、薬剤師転職サイトなどを介さずに直接応募することが出来ますが、問い合わせ段階から氏名を明かす必要がありますので、内密に転職活動を行うことが難しいという弱点もあります。
薬剤師の方が公開求人に対して直接応募する場合、面接対策や日程調整、雇用条件なども全て自分で交渉する必要があり、交渉が得意で無い方の場合は、先方のペースで話が進んでしまうリスクがあります。
また、公開求人の中には、管理や対応の面から雇用主のサイトには掲載されずに、薬剤師転職サイトのみに掲載されるケースもありますので、全ての公開求人が直接応募できるという訳でもありません。
手軽に求人情報にアクセス出来る反面、注意する必要がある点が多いのも公開求人の特徴です。
特に大手の薬剤師転職サイトで公開求人を閲覧する場合は、情報量が多いので効率よく条件を絞って検索する必要があります。
また、毎日新しい求人が追加されていきますので、条件にあったものをタイミングよくピクアップする必要も出てきます。薬剤師転職サイトによって、掲載開始となる日時が異なりますので、一つのサービスしか見ていないという場合は見逃してしまったり、出遅れてしまう可能性もあります。
公開求人で注意が必要なのは、既に募集が終わっている求人が掲載されているケースも少なくないという点です。
大半の薬剤師転職サイトでは、日々情報が更新されていっていますが、公開求人に関しては完全に雇用が決まった後に終了した案件として処理されますが、それまでは掲載された状態になっています。
雇用企業の受け付けている期間と公開求人が掲載されている期間は必ずしも合致しておらず、タイムラグがあります。既に雇用企業側の受付が終了している求人であっても掲載されていることがあることになります。
既に募集が終わっている公開求人に対して、あれこれ悩んでみても仕方無いので、応募はともかく疑問点や質問事項がある場合は、早めに問い合わせてみた方が良いでしょう。
ただ、薬剤師転職サイトの中には、意図的に募集が終わっている求人を掲載しているケースもあるようです。扱っている公開求人数を多く見せたり、条件の良い公開求人を掲載しておくことで、集客しようとする悪質なケースです。
大手サービスや実績のあるサービスでは、このようなことはありませんが、このようなケースもあるということは頭の片隅に入れておいてください。
さて、一般的に求人と言えば、公開求人のことを指すと考えがちですが、薬剤師の場合、新卒採用ではなく中途採用、転職者向けの求人は公開求人とならないものも多く存在します。
公開求人として公開されなかった求人はどのようになるのでしょうか?
薬剤師の求人の場合は、主に薬剤師転職サイト、エージェント経由からしか応募できない非公開求人として扱われるケースが増えています。
なぜ、公開求人として扱わないのでしょうか。好条件の薬剤師求人が公開求人として扱われない理由は主に2つ考えられます。
優秀な薬剤師を採用する為に、好条件の求人票を公開求人として扱った場合、募集を行った薬局、ドラッグストア、医療施設に対して多数の問い合わせや応募が殺到してしまいます。
対応できるだけのリソースがある企業や医療施設なら問題ありませんが、そのような体制が整っている企業や医療施設は多くありません。
また、好条件の求人に対しては、条件に合致していない薬剤師や求めるレベルに達していない薬剤師、スキルは高くても問題がある薬剤師も応募してきます。
勿論、優秀な薬剤師の応募もありますが、多数の応募の中から本当に優秀な薬剤師だけをピックアップするためには、何度も面接や話し合いを行う必要があり、対応コストは相当なものになります。
薬剤師転職サイト、エージェントに仲介してもらった方が結果として対応コストが抑えられるだけでなく、効率的に目的の人材を確保できることも多くなっていることから、非公開求人や薬剤師転職サイトを通してしか応募することが出来ない求人が増えています。
公開求人として一般に求人票を公開してしまうと、どんな人材が不足していて、どんな人材をどれくらの年収で入社させるつもりなのか、場合によってはその企業や医療施設にどんな計画があるのかといった踏み込んだ情報までネットに掲載することになります。
一度ネットに掲載された情報は、コントロールすることが出来ず、意図しないところで情報が拡散されてしまい、長期的に情報が残ってしまうこともあります。
また、情報によっては、競合企業に知られてしまうことで、出し抜かれてしまうことも考えられます。
その為、求人票の扱い、特に好条件のもの、ハイクラスの人材を募集する際には公開求人として扱わず、薬剤師転職サイト、エージェントを経由させた非公開求人とするケースが増えています。
では、転職を予定している薬剤師の方はどのように公開求人と向き合っていけば良いのでしょうか?
公開求人をチェックしていて、気になったものがあれば是非問い合わせてみましょう。ご自身が希望する内容に合致した求人で、適任者である可能性も十分に考えられます。
ただ、余程の自信がない限り、直接の問い合わせ、応募は慎重に行った方が賢明です。
前述の通り、直接アプローチする場合は、氏名を名乗る必要があります。氏名を伝えた上で問い合わせや条件交渉を行うこととなりますので、その後の転職活動に何らかの影響が出てくる可能性があります。
薬剤師転職サイト、エージェントを利用すれば、氏名を出さずに問い合わせや条件交渉が行えますので、様々な面で可能性を広げることが出来ます。
公開されている求人であっても、転職慣れしていて自信がある方以外は、このようなサービスを活用することをおすすめします。
また、公開求人は薬剤師の雇用条件の相場観を身につけることにも大変役立ちます。
実際に問い合わせや応募といったアクションを起こさなくても、定期的にチェックしているだけで、○○という地区で、○歳くらいでこれくらいのスキルなら年収○○○万円くらいが妥当といった相場が見えてきます。
相場観が身についていれば、ご自身が転職するとなった際に、条件の悪い求人に惑わされることもなくなります。
今すぐという訳でなくても、将来的に転職するかもしれないという方は情報量が多い薬剤師転職サイトを中心に、定期的に公開求人をチェックしておくことをおすすめします。