薬剤師としてのあなたの年収・給料は適切でしょうか?そんな疑問にお答えする為にこのページでは政府発表のデータをもとに薬剤師の平均年収・給料について考えてみたいと思います。
最新の薬剤師平均年収は勿論、過去7年間の年収の推移、年齢・男女別による年収の違い、地域による年収の違い、パート・派遣の平均時給に関するデータも集計してあります。現在のあなたの給料や年収が適切なものなのかどうか、是非一度比較・検証してみてください。
なお、掲載データは厚生労働省が毎年公開している統計調査データ(賃金構造基本統計調査)をベースに薬剤師に関するデータを抽出して作成しています。公開されていない一部のデータについては類似カテゴリーの数値を指数化して推定値を算出しているものもあります。
※掲載データの無断引用・転載を禁じます。必要な方は厚生労働省を参照してください。
政府(厚生労働省)が2017年に発表した2016年の薬剤師の年収に関するデータの概要は次の通りです。
薬剤師の年収(総合) | |
---|---|
平均年齢 | 37.4歳 |
平均勤続年数 | 6.5年 |
労働時間 | 175時間/月 |
平均月給 | 36.4万円 |
ボーナス | 78.7万円 |
平均年収 | 514.9万円 |
男性薬剤師の年収 | |
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平均年齢 | 36.9歳 |
平均勤続年数 | 6.2年 |
労働時間 | 178時間/月 |
平均月給 | 39.3万円 |
ボーナス | 81.4万円 |
平均年収 | 552.6万円 |
女性薬剤師の年収 | |
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平均年齢 | 37.8歳 |
平均勤続年数 | 6.7年 |
労働時間 | 173時間/月 |
平均月給 | 34.6万円 |
ボーナス | 77.1万円 |
平均年収 | 491.9万円 |
調査データの「勤続年数」を用いています。働いている人がその企業に雇い入れられてから調査日までに勤続した年数を指します。薬剤師は6.5年となっていますが、全体の平均は11.9年となっていますので、薬剤師は勤続年数が短い、つまり転職などをされる方が多い傾向にあると言えます。
調査データの「きまって支給する現金給与額」という項目を用いています。基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、超過労働給与額が含まれています。所得税、社会保険料を控除する前の金額です。 男性薬剤師の給料が39.3万円、女性薬剤師の給料が34.6万円となっています。年齢や労働時間を考慮しても男性の方が条件が良いことがわかります。
調査データの「年間賞与その他特別給与額」を用いています。薬剤師の年間ボーナスの平均は78.8万円となっています。
薬剤師の平均年収は「平均月給×12ヶ月+年間ボーナス」で算出しています。平均年収は514.9万円となっていますが、男女別では男性薬剤師が552.6万円、女性薬剤師が491.9万円と月額給料の差がそのまま反映され約60万円もの差が生じています。
次に薬剤師の年収の推移を過去7年分で比較してみます。企業規模別の平均年収の推移も算出しましたので、働く企業の規模によってどの程度年収が異なるのかチェックしてみてください。
直近7年間の薬剤師の平均年収の推移では、2015年の533.49万円がピークとなっており、直近の2016年は少し下げて514.9万円となっています。
2015~2016年の全体の平均年収はほぼ横ばいとなっていますので、薬剤師の年収だけが下がっているように感じられるかもしれませんが、2015年と2016年では薬剤師の平均年齢がそれぞれ38.7歳、37.4歳と下がっています。働いている方の年齢が下がった分、年収が下がったと考えることも出来そうです。次に企業規模別の薬剤師の年収データです。
企業規模によって平均年収の値も推移も大きく異なるという結果が出ました。直近では企業規模1,000人以上の年収の落ち込みが少々気になります。
一般的には企業規模が大きいほど年収・給料が高いと考えられていますが、薬剤師に至ってはこの原則は当てはまらないようです。上記のデータでも規模の小さい企業・施設の方が年収・給料が高いという結果が出ています。
99人以下の規模の小さい企業・施設で働く薬剤師は20%弱と多くありませんが、転職して少しでも年収を上げたいという方は参考データの一つとして覚えておきましょう。
次に薬剤師の年収・給料を年齢別、男女別に見ていきます。
年齢 | 給料 | ボーナス | 年収 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 26.7万円 | 2.7万円 | 323.3万円 |
25~29歳 | 32.7万円 | 63.1万円 | 455.6万円 |
30~34歳 | 39.1万円 | 83.7万円 | 553.3万円 |
35~39歳 | 43.9万円 | 98.8万円 | 625.0万円 |
40~44歳 | 49.0万円 | 90.2万円 | 677.9万円 |
45~49歳 | 53.1万円 | 133.6万円 | 770.8万円 |
50~54歳 | 49.3万円 | 100.8万円 | 692.7万円 |
55~59歳 | 46.2万円 | 136.8万円 | 690.6万円 |
60~64歳 | 42.8万円 | 85.8万円 | 599.4万円 |
65~69歳 | 34.4万円 | 38.2万円 | 451.1万円 |
70歳~ | 27.3万円 | 65.6万円 | 392.6万円 |
一般的には年齢とともに定年に向けて上がっていくと考えられている年収ですが、男性薬剤師の年収は40代後半がピークになっており、その後少しずつ下がっていくという結果になりました。
年齢 | 給料 | ボーナス | 年収 |
---|---|---|---|
20~24歳 | 27.9万円 | 1.0万円 | 335.3万円 |
25~29歳 | 30.5万円 | 63.1万円 | 429.4万円 |
30~34歳 | 32.7万円 | 79.3万円 | 471.2万円 |
35~39歳 | 34.8万円 | 99.2万円 | 516.6万円 |
40~44歳 | 38.6万円 | 106.0万円 | 569.4万円 |
45~49歳 | 42.4万円 | 84.5万円 | 593.5万円 |
50~54歳 | 38.0万円 | 93.2万円 | 549.2万円 |
55~59歳 | 42.2万円 | 96.3万円 | 602.6万円 |
60~64歳 | 39.5万円 | 72.2万円 | 546.5万円 |
65~69歳 | 35.9万円 | 66.4万円 | 497.7万円 |
70歳~ | 32.5万円 | 63.7万円 | 453.8万円 |
女性薬剤師は50代後半が年収のピークとなっていますが、男性薬剤師と同様に50代前半の年収が大幅に下がっています。
次に都道府県別の薬剤師の平均年収です。ここでは1~3位と45~47位をピックアップしていますが、1位と47位では平均年収が約2倍と大きく異なることがわかります。勿論、年齢や労働時間も考慮する必要がありますが、働くエリアによって薬剤師の年収は大きく異なってくるという点は押さえておきましょう。
都道府県別のより詳しい年収データをチェックしたい方は【2017年版】都道府県別薬剤師平均年収ランキング~1位と47位では360万円もの差が?~をご参照ください。年収ランキング1~47位と各都道府県の年収の詳細をまとめてあります。
一般的に年収は首都圏の方が高いイメージがありますが、薬剤師の場合はベスト5には東京都や神奈川県といった主要都市はランキングされていません。薬剤師が不足しているとされている地方が上位にランキングされています。
薬剤師のパート・アルバイトや派遣というと時給が高いイメージがありますが、政府発表の短時間労働者のデータから薬剤師の平均時給に関するデータをピックアップしました。
短時間労働者の定義は「1日の所定労働時間が一般の労働者よりも短い又は1日の所定労働時間が一般の労働者と同じでも1週の所定労働日数が一般の労働者よりも少ない労働者」となってます。この形態で週5日・8時間働く人も居るのが実状なので、少々疑問の残る言葉ではありますが、ここでは厚生労働省が発表した短時間労働者に該当する薬剤師の平均時給データを見ていきます。
都道府県別の時給データをチェックしたい方は【2017年版】都道府県別薬剤師平均時給ランキング~1位と47位では1時間あたり1,450円もの差が?~をご参照ください。時給ランキング1~47位と各都道府県の時給の詳細をまとめてあります。
薬剤師アルバイト・パート・派遣の平均時給 | |
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平均年齢 | 51.6歳 |
平均勤続年数 | 8.0年 |
実労働日数 | 14.6日/月 |
実労働時間数 | 5.8時間/日 |
平均時給 | 2,196円/時 |
ボーナスなど | 11.4万円/年 |
薬剤師のパートや派遣は平均年齢が51.6歳となっていますので、正社員と比較すると年齢の高い方が多いのが特徴です。6年前の2010年は平均年齢46.9歳、平均時給2,127円でしたので約5歳も高年齢化したことになります。なお、日本の産業全体の平均時給は1,075円ですので、薬剤師の平均時給はその2倍以上と高額であることがわかります。
如何でしたでしょうか? このコンテンツでは薬剤師の年収の概要、推移、年齢・男女別による年収の違い、都道府県による年収の違い、パートや派遣の平均時給などを見てきました。 全体として言えることは、まだまだ薬剤師は売り手市場であり、ご自身のポジションをしっかりと把握した上で、適切な転職活動を行えば、より条件の良い職場を見つけるチャンスに溢れている、ということではないでしょうか。
現状を変えたいと考えている薬剤師の方も多くいらっしゃると思います。焦る必要は全くありません。情報収集を効率よく行いながら、下らない求人に惑わされない目を養い、チャンスが訪れた時には躊躇無く動けるよう、少しずつ相場観を身につけましょう。 その為のツールとして、転職エージェントを活用してみては如何でしょうか?