調剤薬局での薬剤師の働き方には正社員・パート社員・派遣社員の3つがありますが、その仕事内容や勤務時間などにはどのような違いがあるのでしょうか?
同じ薬剤師でも雇用形態の違いによって、その収入にも差がでてくるはずです。薬剤師の平均時給については当サイトでも厚生労働省発表のデータを掲載していますが、『実際のところどうなのか』ということが気になりませんか?
そこで今回は調剤薬局薬剤師の雇用形態別の仕事内容や勤務時間、収入の違いについてお話ししたいと思います。
それではまず、薬剤師が調剤薬局で正社員として働く場合です。
やはり正社員の薬剤師は、他のどの立場の方よりも求められる仕事内容はハードになるのが基本です。調剤薬局の薬剤師の仕事には調剤、監査、投薬はもちろんのこと、発注業務やかかりつけ薬剤師、地域貢献活動、運営面への参画など様々なものがあり、それらのことをすべて考えていかなければなりません。
もちろんパートや派遣の薬剤師の方を残して先に帰ることもなかなか難しいのが現実ですし、自ずと勤務時間は長くなります。
ただし最近では働き方改革などの動きを受けて、正社員であってもなるべく残業時間を減らすように努力している企業も少しずつ増えてきていますので、正社員だからといって必ずしも残業時間が長くなるとは言えなくなってきている流れもあります。
そのあたりは十分な事前のリサーチが必要であり、より働きやすい職場を選ぶようにすることが大切です。
次にパート薬剤師についてお話ししていきます。
もちろんパート薬剤師と言われるだけあって、出勤する曜日や時間がある程度固定されている方がほとんどですし、残業も少ないというのが基本的なパート薬剤師の働き方でしょう。
調剤薬局の仕事内容に関しては投薬がメインであり、パート薬剤師が対外的な対応やかかりつけ薬剤師、運営面に直接関わるようなケースもほぼ無いと考えてもらっていいでしょう。
ただし、一般的にはあまり多くを求められない立場だと言うことができますが、もともとその職場で働かれているパート薬剤師の働き方に左右される可能性もあります。
その職場のスタンダードがパート薬剤師であっても残業が当たり前の職場も当然ながら存在します。そしてその働き方を求められる可能性もあります。
このようなことから、事前にパート薬剤師の働き方がどのようなものか、実際にその職場ごとに確認しておくようにした方がいいでしょう。個人で調べるのは限界があると思いますので、職場の実情調査に関してはエージェントを上手く活用してください。
続いて、派遣薬剤師についてお話しします。
調剤薬局での仕事内容は基本的にある程度契約段階で決まってきますので、契約には無いような無茶な仕事を振られたり、対外的な対応を求められることはまず無いと思ってもらっていいでしょう。派遣薬剤師は主に投薬や予製を求められるケースが多くなります。
また派遣薬剤師の勤務時間に関しても、契約でキッチリ決められていることがほとんどですので、残業が日常的に発生するようなことはまず考えられません。
そもそも雇い主は派遣先ではなく、派遣会社になりますので、給料の支払いも派遣会社から支払われることになります。そのようなことからも、派遣先の調剤薬局の現場レベルの方が独断で仕事内容を変えたり、勤務時間を延長させたりすることは基本的に認められていないという場合がほとんどなのです。
もちろん派遣会社によって違いはありますので、そのあたりの確認を十分にしておく必要はありますが、比較的予定が立てやすい働き方だと言うことができるでしょう。
薬剤師の派遣に関しては転職エージェントが薬剤師派遣業を兼ねている場合も多くあります。このような転職エージェントは派遣先の職場の詳細な情報を保有しており、条件交渉もしやすい状況にありますので、気になる点は積極的に質問してみましょう。
それでは調剤薬局における雇用形態の違いによる収入についてですが…
やはり正社員薬剤師が最も安定して高収入を得られると考えてもらっていいでしょう。
もちろん年俸制や給料制などの違いは会社によってありますが、一年間を通して確実に安定した収入が得られるのが正社員薬剤師です。
また、パート薬剤師に関しても収入のコントロールが比較的しやすいと考えてもらうことができます。もちろん時給になりますので、その時給によっても大きく違いはでてきますが、長い目で見て安定した一定額の収入を得ることができるでしょう。
一方、派遣薬剤師においては、高時給での募集が多く、場合によっては正社員よりも年収が高くなるといったケースも目にされるのではないかと思います。
ただし、それはあくまで年間通して同じ収入でフル勤務した場合の話。そのような調剤薬局に安定して勤務できる保証は残念ながら派遣薬剤師にはありません。
企業にとって派遣薬剤師は『その場しのぎ』である場合がほとんどです。そのようなことからも、派遣薬剤師でずっと働き続けるというよりは、『転職活動のある一定期間だけ』という場合や、『結婚したあと子供ができるまで』などといった、“限定した働き方”をすることが最も適したかしこい選択だと言うことができるでしょう。
こうすることで、派遣でまとまった収入を短期間でしっかりと稼ぐことも可能になります。
調剤薬局の正社員・パート社員・派遣社員の違いについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
もちろんみなさんの生活スタイルや環境によって働き方は人それぞれであるべきですし、正解は無いのかもしれませんが、それぞれの働き方の違いを把握しながら上手に選択していただくことができましたら幸いです。
働き方で迷ったらまずは薬剤師専門の転職エージェントに相談してみましょう。求人データを見ながら実情を知ることである程度の方向性が見えてくる筈です。
但し、派遣に関しては注意が必要です。薬剤師の場合、大半の転職エージェントは派遣を扱っていません。派遣という選択肢も想定している場合は、派遣業にも注力している転職エージェントを選択するようにしてください。