毎日同じような調剤業務をこなしながら週末を待ちわび、ふと気付けばまた月曜日。そしてまた同じような一週間が繰り返される…。
薬剤師として忙しく働かれているみなさん、本当に毎日お疲れまです!みなさんのされている仕事はもちろん世のため人のため、素晴らしい仕事です。決して誰にでも簡単にマネのできるような仕事ではありません。
でも、なんとなく日常がマンネリ化してしまってそのことで悩まれていたりしませんか?普段はそこまで深く考えていなくても、仕事から離れている時ふと「このままでいいのかなぁ」って思われること、ありますよね。
今回は薬剤師としてまだまだ働き盛りのみなさんに、『社内制度に頼らない自己のキャリアアップ』についてお話ししていきたいと思います。
最近、薬剤師の世界でも頻繁に目にするようになってきたM&A。ひと昔前はあまり気にしたこともなかったという方が多いのではないかと思うのですが、そうも言っていられないような世の中になってきました。みなさんが所属されてる会社もそのような時代の波に飲まれないとも限りません。今は充実している社内制度もいつまでそのままでいられるものか…。
なかにはすでにM&Aの波に飲まれ、今の状況に苦しんでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まあそんな状況があるということはひとまず置いといて、みなさんの薬剤師としての強みって何ですか?
『調剤が速い』『店の在庫はほとんど頭に入っている』『認定薬剤師を持っている』など人それぞれ自分のセールスポイントというものがあるのではないかと思います。
しかし今、みなさんが薬剤師としての強みと考えられているものって、どの会社でも通用するものなのでしょうか。
例えば認定薬剤師や指導薬剤師など、言ってしまえば誰でも簡単に取得できるような認定証があるだけで「とりあえずは大丈夫だろう」といった漠然とした考えをお持ちだったりしませんか?ただ資格を持っているだけではハッキリ言って会社が変わればほとんど役に立たない可能性もあるんです。
会社によっては所属する社員全員がそれらの資格は当然持っており、差別化の判断材料にはならなかったりもしていますからね。
今の会社でそれらの資格やみなさんの強みと思われている部分が評価されていても、将来を確実に保証してくれるものとは言い切ることができないのです。
会社を選ぶ際、資格取得制度を重視される方もいらっしゃるでしょう。
例えば認定薬剤師取得・更新のためのe-ラーニング。当然、受講費用は会社に負担してほしいですよね。でもみなさん、そこで満足してしまっていませんか?「気付けばほとんどパソコンを開けていない」「単位集めのためだけにただ映像を流しているだけ」などという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、単位を取得しなければ認定薬剤師にはなれませんし、更新もできません。しかしそれだけで果たしてどれほど薬剤師としてのスキルが上がっているのでしょうか?
あくまで実際にその得た知識を実際の現場で生かせなければ意味がありません。
そして認定薬剤師を取得・更新することが目的になってしまってはいけません。やはり明確にコレという自分にしかない強みを作っていくことこそが将来、自己のキャリアアップに繋がっていくのではないでしょうか。
例えば専門薬剤師制度。過去には病院薬剤師のためだけに開始されたような制度ではありますが、今では調剤薬局においても少しずつ取得を目指す薬剤師の方が増えてきました。
もちろん資格を取得することが目的となってしまってはいけませんが、少なくともある分野における専門家という肩書は決してあなどれません。医師の業界では当たり前にそれぞれの専門分野での強みとなる認定資格というものがあり、当然のようにみなさん取得されています。これらの専門薬剤師制度は学会での発表が必要だったりしますし、実際にただe-ラーニングの映像を流しているだけでは取得できません。それほど努力が必要なのです。
このように専門性の高い分野での知識をしっかりと身に付け、どこに行っても誇れるようなスキルを持っておくことこそが社内制度などに頼らない自己のキャリアアップに繋がるものだと言えるのではないでしょうか。
もちろんそれらの築き上げた知識と経験を会社のためにどれだけ使うことができるかということが大切にはなりますが、少なくとも差別化の判断材料にすることはできるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
もしも仕事のマンネリ化に悩まれているようであれば、少し時間を作っていただき、専門分野の深い知識を身に付けていただいたうえで、ある分野の専門薬剤師として一歩踏み出してみていただいてはどうでしょうか。キャリアの幅も拡がることでしょう。
誰にも真似することのできないみなさんだけの強みとして、自己のキャリアアップへと繋げていただくことができましたら幸いです。