調剤薬局への転職を検討されている薬剤師の方の中には、「未経験だから不安だなぁ」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。他職種からの転職はやはり勇気がいりますよね。
今回は、ドラッグストアなど他の職場から調剤薬局へ転職する際の注意点についてお話ししていきたいと思います。
薬剤師の方であれば、調剤薬局自体は学生時代の研修で少し経験があるという方もいらっしゃるのではないかと思うのですが、社会に出てからドラッグストアなどで働いてこられた方にとっては意外と忘れがちな『医療人としての振る舞い』というものがあります。
まずはそのあたりを少し確認していきましょう。
「いらっしゃいませ!こんにちは~!」では当然ありませんよね。
長年ドラッグストアで働かれてきた方などにとってはこの挨拶が染みついていたりしませんか?『接客七大用語』などを毎日朝礼で唱和してこられたりもしましたよね。
もちろん調剤薬局にはポイントカードも存在しません。
また、調剤薬局ではあまり元気すぎる挨拶も控える方がいいものです。
もちろん暗い雰囲気で挨拶をするのではありませんが、患者さんは買い物をしに来ているわけではありませんので、ドラッグストアのように元気で明るい挨拶というのはあまり必要ではないものなのです。
医療人・薬剤師として、元気すぎず暗すぎず、丁寧なあいさつを心掛けましょう。
このあたりに少し最初はギャップを感じられるかもしれませんが、意識をしておくことは非常に大切になります。
次に、お客様ではなく患者さんであることを意識していただく必要があります。
当然、目当ての商品を買い求めに来られているわけではありませんよね。かかりたくもない病気にかかってしまい、行きたくもない病院で診察を受け、さらにもっと行きたくもない調剤薬局へ足を運ばれているのです。
そのような背景を意識しつつ、薬剤師として『患者さんの心に寄り添った情報提供』ができるように心掛けましょう。
ドラッグストアでは、PBなどの推奨品を数多く売らなければならないこともあり、その商品の宣伝を一方的にすることってありますよね。
しかし、調剤薬局では知っている知識を並べるだけのいわゆる『情報の押し売り』は薬剤師の自己満足でしかありません。
患者さんが本当に必要とされているものを話の中で読み取り、患者さんの生活環境や性格などに合わせた服薬指導を意識することが大切なのです。
薬剤師、調剤薬局に限らず、もちろんどんな職場でも大切なことですが、あまり我が道を行ってしまっては、他のスタッフの方との距離ができてしまいかねません。
調剤薬局はドラッグストアなどと違い、受付⇔調剤室という非常に狭い空間で仕事をします。
誤解を恐れずに述べさせてもらうと、薬剤師の方の中には、薬剤師だからということで残念ながら偉そうにされる方がいます。
医療事務の方も医療従事者としてプライドを持って仕事をされています。薬剤師だから偉いというわけではなく、医療事務の方にも気配りや心配りができるような方が、結果的に信頼される薬剤師になれるのです。
ひとたび調剤薬局で人間関係が崩れてしまうと、ある意味逃げ場がありません。居づらくなってしまってまた転職を検討しなければならなくなってしまう可能性もあります。
どのような職場でも言えることかもしれませんが、やはり協調性という部分も大切にしていただく必要があるでしょう。
他の職場から転職するにあたって、あいさつや医療人としてのふるまい、協調性などが大切であるとお話ししてきましたが、みなさんの今までの経験をフルに発揮できる可能性もあります。
特に調剤薬局でしか働いた経験の無い薬剤師の方にとっては、意外とドラッグストアや製薬会社などから転職されてきた方に対して、「自分たちにはないものを持っているかもしれない!」とかなりの期待をしているものです。
OTCやサプリメントの知識、プレゼンテーション能力などもそうですね。
そのあたりをうまく調剤薬局で発揮することができればすぐに職場に溶け込むことも可能ですし、あらゆる局面で頼りにされるシーンもでてくるでしょう。
ドラッグストアなど他の職場から調剤薬局へ転職する際に気をつけるべきポイントについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
もちろん注意していただくことはたくさんありますが、いろんな面で今までの経験を生かすことも可能だということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ぜひ参考にしていただき、よりよい職場でご活躍されますことを心よりお祈りしております!