私は今の職場に転職してから7年目になる、男性薬剤師です。
今の職場では非常に充実した日々を送っています。
この約6年間、異動もいっさいなく同じ職場で働くことができている毎日に本当に感謝しています。
そんな薬剤師の私がなぜ今の職場に転職しようと思ったのか、転職を考えた当時の心境とともにお話しさせていただければと思いますのでお付き合いよろしくお願いします!
私が薬学部を卒業したのはもう10数年前の話になりますが… 最初はある程度大手の調剤薬局に就職した方がいいだろうと何となく考えていたこともあって、自宅近くに本社のある全国展開している大型チェーン薬局に就職しました。
当時は新人教育なども充実しており、社会人として、薬剤師として働きだした私にとっては本当に真新しいことばかりで生き生きと働いていたことを記憶しています。
しかし1年目、2年目、3年目…と過ごしていくなかで、どうしても自分の中で納得のできないことが出てきました。
それは非常に異動が多かったことです。短い時には3ヶ月。長くても1年弱しか同じ店にいることができませんでした。
せっかく薬剤師として患者さんと仲良くなることができ、頼って来てくださったり、声をかけてくださったりすることが増えてきた…と思った頃に異動の指示が上司から出される…。
この繰り返しの日々に対して「こんな働き方でいいのか?」と自分自身に問いかけるようになっていきました。
職場自体は連絡体制や内規なども整っており、福利厚生も充実していたことから、大手の良さというものはあったのかもしれませんが、大手であるが故の異動の多さというのは私にとっては合わなかったのです
「もっと患者さんとの関係性を何年もかけて構築していきたい…!」
という思いがいつしか強くなっていき、その思いが抑えきれなくったその時、私は転職を決意しました。
私が転職した先は、全部で5店舗しかないいわゆる地域密着型の調剤薬局でした。
転職した当時の私は典型的な世間知らずの若造で、大手から小規模の薬局に転職したということだけで、お恥ずかしいことになんとなく少しなめていた部分があったのですが、そんな若造薬剤師のくだらない自信などは初日にポッキリ折られてしまいました。
ハッキリ言って非常にレベルが高い薬剤師の方々ばかりで、とても恥ずかしい思いをしたのを覚えています。
また、違う会社に転職したのであればまたイチからいろんなことを覚え直さなければならないのにも関わらず、当時の私は前の会社のやり方が世の中のすべてのやり方だと勘違いしてしまっているところがあり、一つひとつの仕事に対して衝撃を受けたことを覚えています。
特に今の職場では当時からIT化が進んでおり、社員ひとり一人にiPadが与えられ、高齢の薬剤師の方であっても簡単に使いこなされているのを見て、ただただ焦るばかりでした。
そんな私も心を入れ替えつつ先輩薬剤師の方々にいろいろ教えていただき、今では管理薬剤師として店を回す立場にまで成長することができました。
患者さんからも頼りにされているという実感を得ることができていますし、店の外を歩けば顔見知りの患者さんに挨拶してもらえるようなことも多くなったことで、「地域に根差した薬剤師になれてるなぁ」と実感しています。
これが私の目指した薬剤師像であり、あの時転職を決意していなければ今の私は絶対に存在していないだろうと自信を持って言えます。
私の転職を決意した動機についてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
少しでも何かの参考にしていただくことができましたら幸いです。
コロナ渦ということもあり、薬剤師と言えど容易に転職しようと思える状況でもありませんが、そんな時だからこそ、好条件の職場が見つかった際に動けるよう、日頃から情報収集しておくことが大切だと思います。
突然動いても結果は伴いません。まずは出来ることから始めてみましょう。