他の職場から調剤薬局への転職を検討されている薬剤師の方は調剤薬局に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「自宅の近くで働くことができる」「安定した収入を得ることができる」「調剤・投薬のルーチンワークばかりかも・・・」などなど、実に様々なイメージをお持ちのことでしょう。
現在の働き方によっては自宅の近くで働くことができる上に安定した収入を得ることができれば言うことはないという考えを持った薬剤師の方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、良い面もあれば当然デメリットと言える部分もあります。
今回は、そんな調剤薬局以外の職場で働いてきた薬剤師の方が、調剤薬局へ転職するメリットとデメリットについてお話ししていきたいと思います。
企業勤めやMRの薬剤師の方などはなかなか自身の思い通りに職場環境を選べないような状況が多いものではないかと思いますが、調剤薬局は日本全国どこにでも存在し、大型店舗からドラッグストア併設店舗など実に様々な営業スタイルの店舗がありますので、思い描く理想の働き方が実現できる可能性が非常に高いのが魅力です。
バリバリ働きたいという方は全国展開をしているような大手の調剤薬局で働くこともできますし、地域密着で働きたいのであれば小規模の地域密着型の店舗で働くのもいいでしょう。
このように、みなさんの理想に合わせて職場環境を選ぶことができるというのは最大のメリットと言うことができるのではないでしょうか。
調剤薬局で働けば、医療用医薬品の知識が自然と身に付いていきます。確かに医薬品名は片仮名ばかりですし、ジェネリック医薬品の種類も非常に多いので初めは戸惑われるかもしれませんが、日々過ごしていくなかで必ず薬の名前は憶えていくことができます。
また、あまり大きな声では言えませんが、投薬の際には薬情をお渡ししますので、薬の効果があまりわかっていなかったとしてもだいたいの説明はできてしまいます。
入社2~3か月目の新人薬剤師であっても薬情をたよりに投薬をしているような業界ですので過剰な心配はいりません。患者さんに細かい薬の作用機序まで説明するような機会はそう多くはありませんし、転職してからでもその店舗で良く出る薬から少しずつでも勉強していけば必ず身に付けることができます。
更に、家族や友人が薬に関する悩みをもっている場合などは最大限に自分の能力を発揮することができます。これは意外と重宝されるもので、身近な人の力になることができるというのは純粋にかなり嬉しいものですし誇らしいものです。
やはり1000万円を超えるような高収入を得ることは現実的にはほぼ不可能と考えていただいていいでしょう。
人によっては部長クラスになればそれぐらいもらっているのでは?とイメージされるかもしれません。
大手の一部の企業ではそのような方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的には頭打ちになってしまうことがほとんどです。
調剤薬局であってもガンガン出世してたくさん稼ぎたいと思っているような方にとっては難しいものだと考えていただいた方が良いでしょう。
例えば今までMRなどの営業職をされてきた薬剤師の方などであれば、多少嫌な上司がいたとしても営業にまわれば会わなくて済みますし、車の中で適当に息抜きすることもできたでしょう。
しかし、調剤薬局という空間は想像以上に逃げ場がありません。毎日同じ顔ぶれで一日中顔を合わせているような状況ですので、ひとたび苦手な人と一緒になってしまうと本当に苦痛の毎日が待っているのです。そのあたりは覚悟をしたうえで調剤薬局で働くという選択をしていただくと良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
調剤薬局以外で働いてきた薬剤師の方が調剤薬局へ転職するメリットとデメリットについてお話してきましたが、少しは参考にしていただくことができましたでしょうか。
より良い職場環境を見つけていただき、充実した日々を過ごされることを心よりお祈りしております。