今回の薬剤師転職コラムでは大学院生SRS(20代・大阪府在住)さんから頂きました在学中の薬剤師転職サイトの利用に関する体験談をご紹介させて頂きます。
私はこの春東京の薬学部を卒業し、大阪の大学院に進学して、研究と両立できる扶養内のパートを探していました。
転居前に大学院周辺を調べたところ、いくつか条件の合う求人がありそうだったので安心していましたが、大学院に入学後すぐに始めた求職活動はかなり厳しい状況でした。
元々住宅地が多くママさん薬剤師さんの多い大学周辺の地域特性に加え、コロナ禍での診療報酬改定もあり、新卒が週2~3日だけ働ける求人を見つけるのは難しい、と複数の薬剤師転職エージェントから言われました。
薬剤師転職エージェントに登録してから10日ほど紹介のない状況が続き、このまま就業先が決まらないのではとかなり強い不安を感じました。
その時期には、研究室での活動を抑え、なんとか雇ってもらえるようにしなければと思い詰めたこともありましたが、ある薬剤師転職エージェントの方から「最初のヒアリングの際に最も重要視されていた、研究室との両立を優先して求職活動をしたほうがよいのではないですか」とアドバイスをもらいました。
その方から紹介された個人薬局は、大学から1時間程度かかる立地で、片道30分以内という希望とは異なりましたが、とりあえず面接に行ってみることにしました。
実際に面接に伺うと、管理薬剤師の先生も大学院を修了していらっしゃり、研究活動に理解のある環境でした。「研究を第一優先にしながら勤めてもらえれば」と言っていただき、週2日のシフトを組んでいただけることになりました。
現在はその薬局にお世話になり、平日と土曜日に1日ずつ勤務をしています。
ベテランの薬剤師の先生が複数名いらっしゃり、調剤から丁寧に教えていただけることに加え、病院や企業から転職した先生もいらっしゃり、自分の将来を考える上でも刺激になっています。
処方箋は、総合病院のものが多く様々な科の医薬品を学べ、充実感を得られています。なにより、大学院に在籍している間、無理なく続けることができそうな職場に巡り合えたことがよかったと感じています。
求職活動を振り返って、実際に動く前に条件の優先順位を明確にしておくことが必要だと実感しました。
例えば、今働いている薬局の前にドラッグストアの面接にも行きましたが、週3日が必須、店舗の状況によっては研究室の活動時間と重なるデイタイムにもシフトを入れる可能性がある、ということでした。
研究活動が最優先のつもりで始めた求職活動でしたが、大学から比較的近かったこともあり、このドラッグストアに決めようかとかなり迷いました。このときは、就業先がなかなか見つからず、焦る気持ちばかりが募っていたと思います。
このドラッグストアだと後々研究室との両立に苦しんだのではないかと今は思えますが、求職中はそこまで冷静になれませんでした。
求職活動を始める前に、紙に優先順位を書き出しておけばよかったと反省しています。
このように不安な心境になることも多かった中で、薬剤師転職サイトに登録したのはよかったと思います。
特に私の場合は、新天地で初めての一人暮らしを始めたこともあり、地域特性すらもわかっていない状況でしたので、心細かったとき、薬剤師転職エージェントの方に親身に相談に乗ってもらえたのはとてもありがたかったです。
話を聴いてもらううちに、自分の希望を整理したり、紹介された職場で働く自分を想像したりすることができました。今の職場については、転職エージェントの方との会話の中で「教育熱心な社風でベテラン薬剤師も多く、丁寧に育ててもらえる個人薬局」と伺っており、実務実習で配属された個人薬局での業務をイメージしていました。
実際に就業した感想としても、業務の進め方や教育熱心さが実務実習先に似ているように感じます。
就業先でも「呑み込みが早い」と言っていただくこともあり、具体的なイメージを持てたことがスムーズな業務開始につながったように感じています。
また、面接の際には、新型コロナウイルス対策に配慮しながら薬剤師転職エージェントの方に同行していただき、自分からは訊きづらい昇給のタイミングなどにも踏みこんで訊いていただきました。
また、当初は土休日中心のシフトを考えていたため、自分の中では調剤薬局は求職の対象から外れていました。
稼げないからと敬遠していましたが、実際に研究室が本格的に始まってみると日々の生活に精いっぱいで、休みがしっかりあってよかったと思います。
求職活動を始める前までは、学部生時代にアルバイトを探していた感覚で、ネット検索すれば希望に沿った職場はすぐ見つかると思っていました。
しかし、就業先とのマッチングは予想以上に難しかった上、今の勤務先は非公開求人だったため、薬剤師転職エージェントから紹介されない限り応募することすらできなかったと思います。
扶養内の求職であっても、国家資格があるからと甘く考えず、薬剤師転職エージェントの力を借りながら自分の希望を明確にすることで、納得できる職場での就業につながると感じました。