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薬剤師の転職理由:収入&キャリアアップ

世の中では「薬剤師は高収入」と思われていますが、思ったほどの収入が得られず転職を考える薬剤師は意外と多いものです。

患者さんのため、地域医療のため…とは言っても、働く理由の第一として挙げられるのはお金ですよね。

収入を理由とした転職

薬剤師の収入
薬剤師の収入

収入を理由として薬剤師が転職を考えるパターンをいくつかご紹介します!

年収が思ったほど上がらなかった

調剤薬局やドラッグストアでは初任給が高めに設定されています。

最初は新卒としては高い給与に満足していられるのですが、数年働いているとなかなか給与が最初と比較してさほど変わらないことに気が付きます。

年齢と共にお金がかかることが増えていくものですし、将来のことを考えるとずっと給与が上がらないと思うと不安になります。

他にも、薬局長や管理薬剤師など役職がついたにも関わらず、給与があまり上がらなかったときに転職を考える薬剤師が見られます。

役職がつくとそれまでよりも仕事内容が増えたり大変になるのに、それに見合うだけの給与がもらえなければ、違う職場で働きたいと考えても当然ではないでしょうか。

このパターンは、実力があり若くして薬局長などに就いたのに、年齢が若いことを理由に給与が上がらないという理不尽な理由が多いようです。

そのような仕事ができる薬剤師は転職によって、収入がグッと上がる可能性があります。

家族が増えたとき

病院薬剤師は医師や看護師などと連携し、治療に深く関わることができるため大きなやりがいを感じることができる反面、収入が比較的低いというデメリットがあります。

長く勤めあげて役職がつくと収入が上がることも多いのですが、そこまでにかかる年数はかなり長いと言われています。

もちろん一人暮らしをしていて困るような収入ではありませんが、結婚や出産などで家族が増えたときに大黒柱として家計を支えるには物足りないと感じることが多いようです。

そのため30代で病院から調剤薬局に転職を考える男性薬剤師は少なくありません。

病院勤務の経験は疾患の知識などが豊富なため、調剤薬局では重宝されますから転職先が見つからないということはほとんどないでしょう。

短期で高い年収を狙うため

まだ家庭がないなど、転居を繰り返しても抵抗がないときには高い年収を期待して転職をするチャンスと言えます。

過疎地域では慢性的に薬剤師が不足しているため、都市部に比べると破格とも言える年収で薬剤師を募集しています。

そのような地域では半年から1年程度の短い期間でも歓迎されますし、住居の提供があることも少なくありません。

短期間と割り切って田舎暮らしを楽しみつつ、大きな収入を得るのも良いですね。

家賃がかからないこともあるため、都市部で働くよりも倍近い収入を得ることも可能です。

夏期には海沿い、冬期には山の近くへと転職を繰り返しながらレジャーを楽しみつつ高収入を得ている薬剤師もいますよ。

毎日一生懸命働いても、満足できる収入が得られなければ不満ばかりが募ってしまいます。
医療従事者がお金のために働いていても何も責められることはありません。

周りに比べて収入が低いと感じたり、将来に不安を感じたら一度転職を検討してみるのも良いのではないでしょうか。

キャリアアップを理由とした転職

薬剤師のキャリアアップ
薬剤師のキャリアアップ

次にキャリアアップについて。

日本では「転石苔を生ぜず」と昔から言い、転職を繰り返すことはキャリアを積むことに繋がらないため良くないことと考えられてきました。

しかし薬剤師の転職は、キャリアアップに繋がる要素がたくさんあるんです。
転職による薬剤師のキャリアアップ例をいくつかご紹介しようと思います!

新しい知識が身に付けられる

調剤薬局では門前病院の診療科、病院では扱いのある診療科に関わる疾患や薬の知識は自然と身に付きますが、普段関わらない科目のことについてはあまり詳しくなれません。

参考書や雑誌などで情報を得ていたとしても、実践で知識を活用しなければ身にはつかないものです。

チェーンの調剤薬局であれば、他の店舗に異動することもできますが、そうでなければずっと片寄った知識のままです。

転職によって新たな診療科や別の医師の処方に触れることにより、幅広い知識を身に付けることができます。

幅広い知識から患者さんの状態を見ることは、専門性の高い医師にはない視点です。
多くの知識を得た薬剤師は、治療に役立つアドバイスが可能になるのではないでしょうか。

管理職へステップアップ

調剤薬局や病院などではある程度経験を積んだ中堅の薬剤師が不足しているため、管理職候補として新たな人材を募集していることがあります。

逆に、中堅の薬剤師が多い職場に勤めている場合、なかなく役職がつかずに給与が上がらないと悩んでいる薬剤師もいるのです。

管理職候補として中途採用され、仕事ぶりが問題ないと判断されれば一気に薬局長や管理薬剤師になることができてしまいます。

給与が上がるのは当然ですが、平薬剤師とは仕事の内容が異なり、薬局の運営に大きく携わることになります。

管理職を経験しておくと、将来的に自分の薬局を持ちたいと考えたときにも役立ちますよ。

認定薬剤師の資格が取れる

薬剤師も医療チームの一員として認められて来ている中で、その専門知識をさらに発揮するための認定資格があります。

独学で取得できるものもありますが、がん薬物療法認定薬剤師や感染制御認定薬剤師などの専門性の高い認定には、病院勤務の中でその治療に携わった実績が必要です。

認定を受けるまでは長い道のりではありますが、認められればその分野において医師に助言を求められるほどの知識をつけることができ、チーム医療に大きく貢献することが可能です。

薬剤師不要説なども出ており将来の薬剤師の立ち位置に不安がある中で、専門認定薬剤師の資格を持っていることは他の薬剤師から頭一つ出た実力を持っている証明になるため、どこに行っても必要とされる人材になることができるでしょう。

新しい知識を身に付けて薬剤師として成長するために、転職をするのも決して間違ってはいないですよね。

今の職場で働き続けても、知識が広がらないと感じているなら転職し時です。

薬剤師の知識量や経験は職場環境によって大きく異なります。

長く同じ職場で勤めあげても1つの診療科しか経験していなければ、自分よりずっと若い薬剤師よりも薬剤師として劣ってしまうなんてこともあるかもしれません。

自分や接する患者さんのために、今の環境のまま働き続けて良いか考えてみても良いのではないでしょうか?

はじめて転職する薬剤師:理想的な働き方、準社員とは?

薬剤師は比較的転職が多い職種ではありますが、それでも1度も転職せずに退職まで勤め上げる人が少なくありません。

そのため、いざ初めて転職をしようと思った時に周りに転職経験者がおらず不安になる方もいるようです。

そこで初めて転職をする薬剤師が転職をして良かったと思える仕事環境とその求人情報の探し方について考えてみましょう。

転職者を広く受け入れている職場を選ぶ

身内を中心に経営しているような小規模の調剤薬局などでは、ほとんどスタッフの入れ替わりがありません。

そのような転職者の受け入れ経験が少ない職場に転職してしまうと既存のスタッフに馴染むことができず、働きにくさを感じてしまうことが多いものです。

既存スタッフも新しい人材を受け入れた経験が少ないため教育に不慣れであり、仕事にもなかなか慣れることができない可能性が高いのです。

転職に慣れた人であれば自分から話しかけたり仕事を覚えたりできるかもしれませんが、転職が初めての薬剤師にはハードルが高い転職先です。

チェーン薬局などある程度規模が大きく転職者を広く受け入れている職場であれば新しいスタッフの扱いにも慣れており、スタッフも人の入れ替わりに慣れているので転職者が周りに馴染むのも難しくはありません。

教育体制がしっかりしている職場を選ぶ

薬剤師の職場は教育体制も重要

転職者を受け入れている職場と重複するようにも思えますが、一概にそうは言えません。

小中規模の調剤薬局でも新人教育のためにしっかりとした教育マニュアルが整っている企業がありますし、逆に大規模の企業なのに新人の教育は現場に任せっきりなんてところもあります。

特に病院ではしっかりとしたマニュアルがなく何となくのルールをスタッフ間で共有して伝えてしまっている場合もあるため注意が必要です。

転職者にとって教育体制が整っているかどうかは新卒社員よりも大切です。新卒社員は必ず誰かが教育担当となるか周囲が率先して教育にあたるため、自然とその職場のルールなども覚えて行けます。

新卒社員はしばらくの間は1人としては数えないため時間をかけて教育することも可能です。

しかし転職者は即戦力としてカウントされてしまうことも多く、そのため誰かが教育に時間を割くと人手が足りなくなってしまうんです。

そのため事前の講習があるなど教育体制がしっかりとしている職場であれば、ちゃんと知識をつけた上で現場に入ることができるので転職者も困ることがありませんし、既存スタッフも転職者が入ることで仕事が楽になるため新しい環境に馴染むのも楽になるでしょう。

自力で求人情報を探そうとしない

やろうと思えば自分一人で求人情報を探して転職活動をすることも可能です。
薬局や病院のホームページに求人が出ていることもありますし、新聞やハローワークでも求人票を確認することが可能です。

しかし、その求人情報の中から本当に良い転職先を見つけ出し、他と比較したり見学に行って現場の状況を確認し、給与等条件などを交渉する‥それらすべてを初めて転職する薬剤師が一人で行うのはなかなか難しいものがありますね。

やはり薬剤師向けの転職サービスを利用するのが簡単で良い転職への近道といえます。

転職サービスを利用するにあたって薬剤師は費用がかかりませんし、いくつかのサービスを併用して利用しても構いません。

専属の転職コンサルタントがついてくれるので転職先に対する疑問などは自分に代わって担当者が調べてくれます。

自分の希望を伝えることで膨大な求人情報の中から自分に合う転職先を見つけてくれるので働きながら余計な時間や手間を使わずに転職することができ、多くの薬剤師が転職サービスを利用して転職しているのが現状です。

特に初めての転職の際にはいくつかの転職サービスに登録して、何人かの転職コンサルタントの薬剤師の転職に対する考え方やアドバイスを聞くことも参考になるでしょう

初めての転職が上手くいかないと、前の職場の方が良かったと考えてしまったり仕事に行きたくないなど不満はあるのに、また転職してさらに失敗してしまったらどうしよう‥などと考えて行き詰ってしまうことになりかねません。

今の仕事が辛いから早く転職したいと考えているときこそ冷静になり、初めての転職にふさわしい転職先をよく吟味して決断するのが正解です。

準社員という働き方

薬剤師の働き方の一つに準社員というものがあります。

あまり聞きなれない名前ではありますが、上手く利用することでプライベートと仕事を両立しやすくなる制度です。

準社員の特徴やメリット、デメリットを知って働き方の選択肢を広げましょう!

準社員とは?

実は法律上は「準社員」というものはありません。そのため企業が独自に定めた働き方となります。

多くの場合は正社員よりも働く時間や日数が短く、都合に合わせて働くことができるためママ薬剤師などに向いている働き方です。

時給制、日給制、月給制と給与の計算方式は企業によって異なりますが、週の勤務時間が30時間を越える場合には月給制が採用されることが多いようです。

正社員勤務時間の4分の3を越えると、正社員同様の福利厚生を受けることも可能です。

「契約社員」「限定社員」などと呼ばれることもあります。

給与面では正社員と比べると不利になることもありますが、鍵明け当番や調剤薬局によくある電話当番などの責任がある仕事を免除されることもあるので仕事の内容としては楽な面もあるでしょう。

準社員のメリット

メリットとデメリット

プライベートに合わせて働く時間や日数を選ぶことができるのが最大のメリットです。

子育てしながら働く方にとっては助かりますね。

パートや派遣社員も同様に感じられますが、準社員は限りなく正社員に近い待遇のことが多いためボーナスが支給されることがあるため、年収では準社員が一番高くなるケースも少なくありません

求人票に載っている勤務日数や時間が自分の都合に合わない場合でも、交渉次第によって変更が可能なこともあります。

そのような待遇交渉は転職コンサルタントなどプロに任せてしまうのが良いですね。

気になる求人があるけど今一つ希望に合わないという場合には、一度転職サイトに相談してみましょう。

準社員のデメリット

薬剤師では準社員の募集はあまり見かけず、準社員に限定して転職先を探すとなかなか求人が見つかりません。

パート、派遣、準社員など広く求人を探して条件に合うもので検討する方が合理的です。

準社員の基準が法律で決められていない以上、企業によって扱いが全く異なることに注意しましょう。

給与の計算方式以外にもボーナスの有無、福利厚生の内容、仕事の内容(正社員との違い)はチェックする必要があります。

さらに準社員の契約は、期間に定めのある有期雇用である場合もあります。

この場合には契約期間終了後に契約更新されるとは限らないことに注意してください。

薬剤師には様々な職場、働き方がある

準社員は正社員に近い待遇でありながら、都合に合わせて働くことができるとても良い働き方です。

しかしその待遇は企業によって異なるため、求人票だけで判断せずに細かく確認することが大切です。

自分で待遇について調べてまとめるのは手間や時間がかかるため、転職コンサルタントに確認してまとめてもらうと良いですよ

メリットとデメリットを総合的に判断して、一番良いと思える働き方を選択するようにしましょう!